渋谷心療内科・ゆうメンタルクリニック秘密コラム 「迷ったときは、安い方を買え。」
渋谷心療内科・ゆうメンタルクリニック秘密コラム
「迷ったときは、安い方を買え。」
あなたは買い物で迷ったことは、ありますでしょうか。
今回は、そんなときの秘訣をお届けします。
◆ 購入の二択。
実は少し前、まだ寒かった時期に、「オイルヒーター」というものを買ったんですが。熱風が出ず、じんわりあたたまるというヒーターです。
その際、12000円のと、35000円のがあったんです。
どちらもアマゾンのレビューでそこまで差がなかったので、すごく迷ったんですが。
とりあえず、12000円のものにしました。
まったく問題なく使えました。
とても快適でした。このオイルヒーターそのものが、すごくいい商品でした。
満足しています。
さて別の機会に。
ちょっとした必要があって、カフェにある「メニュー」のようなファイルを買うことにしました。
500円のものと、1500円のものがありました。
500円の方は、一枚だけのクリアファイルみたいなもので、そこにメニューの紙を入れるだけです。
逆に1500円の方は、結構、豪華な装丁で、中にメニューの紙をノートのように挟み込むものでした。
このときも迷ったのですが。
結局、豪華な方がいいのかなと思って、1500円の方を買うことにしました。
まぁ、1000円くらいのプラスであれば、いいかな、と思いまして。
そして買ったところ。
その1500円のメニューは確かに豪華だったんですが。
ノートの「表紙部分」(厚い紙の部分)だけの商品で、メニューを挟み込むためには、中に入れる薄いシート(1000円以上)を追加購入しなければいけないというモノでした。
何コレー!と。
いえもちろん、プラスで薄いシートを買えばいいという話なんですが、そのシートの時点で、500円のシンプルなメニューより高くなってますからね。
だからといって500円のシンプルなメニューを買ったら、1500円のメニュー表紙は、まったくムダになります。何この袋小路。
結果、決めきれないまま、今に至ってます。
結局、ムダになってるんですが。
このときのショックは、非常に大きかったです。
豪華さを求めて1500円にして、それだけでは役に立たないというこの切なさ。
最初は「1000円程度のプラス」と思ってましたが、「ソンをした!」と思うと、その価値が数倍にアップしました。(悪い意味で)
◆ 迷ったときは、安いものを買え。
で、このことで、あらためて痛感したんですが。
人生、「二択で迷ったときは、安いものを買うべき」ではないかと。
まずその商品が、特に今まで買ったことがないものの場合、アタリのこともあれば、ハズレのこともあります。
ハズレの際に、高いものを買っていると、そのときのショックは筆舌に尽くせません。
しかし安い方だと、「まぁ、どうせ安く買ったものだし。これが高かったら最悪だったわ…。良かったー…」と思えます。
逆にアタリの場合。
安く買った方だと、
「こんなに安かったのに、こんなにいいモノだった!」
と思えます。
くわえて「じゃあ、高い方は、もっといい機能なのかなぁ…。いつか余裕ができたら、そっちを買うのもアリかなー…」と思えて、ワクワクすることができます。
そもそも同じ商品である限り、値段に比例してそこまで価値が高くなるわけではありません。
新型だとか、ちょっとしたプラス機能がついてるとか…。
その程度の違いだけです。
たとえば体重計なら、高いモノは「服の重さを引いて計算してくれる」とか「部位別で体脂肪を出してくれる」とか、その程度です。
確かに便利ではありますが、普通の体重計に比べて、せいぜい1.1倍くらいの便利さではないでしょうか。
また、たとえばレストランで考えてみましょう。
あるレストランで、3000円のコースと、5000円のコースがあったとします。
このとき、3000円のメニューがマズいお店は、間違いなく5000円のメニューもマズいです。
逆に5000円のメニューがおいしいなら、3000円の方も、それなりにおいしいモノを出してくれます。
これはすべてにおいて言えます。他社の商品の比較でも同じです。
市場原理というものがありますから、「ある会社の商品だけメチャクチャに価格帯がズレる」ということは、そんなにありません。
特にあなたが、一通り、その価格や商品、また評価などを見て「最後にこの二つで迷う」という状態であるなら、実際、社会的にはそこまで差がないレベルのものだと思います。
で、あれば。
とにかく安い方を買ってしまうこと。
それが悪いものなら、高い方も大差はありません。
いいものだったら、高い方は、ちょっといい…くらいのものです。
◆ 決断が早くなれば…。
さらにもう一つ、「安い方を買う」ことの、大きなメリットがあります。
それこそは、「決断が早くなる」ということ。
実際、シドニーの心理学者であるエデルマン博士によると、「人間は、スピーディに思考し行動しているほど、不安が消えてくる」そうです。
すべてにおいて、「迷っているあいだに、時間が過ぎていく」ことほど、ムダなことはありません。
オイルヒーターに限らずですが、迷ってるうちに春になってしまったら、何の意味もありません。
1日早く買うことは、それを使う時間が1日増えることにつながります。
実はそれだけで、「トク」なのです。
ここでもし「迷ったら高い方にしよう」と考えていると「あぁでも高いんだし、それだけの価値が本当にあるのかなぁ…。万一ハズレだったら…」というように、決断までの時間がさらに延びてしまいます。
しかし「どうせ安いんだし」と思えば、より買いやすくなるはずです。
安いことで決断を後押しすることで、「時間」を得る。
そして行動を早めることで、不安を感じにくくする…。
これが何より重要です。
◆ プレゼントでも…。
これはプレゼントでも同じかもしれません。
好きな人がいたときに、「1000円のプレゼント」と「3万円のプレゼント」があって、どっちを渡すべきか迷ったら。
言うまでもありません。1000円です。
それでイヤな顔をする相手なら、たぶん3万円のプレゼントをもらっても迷惑な顔をされるはずです。
額じゃないです。いや本当に。血の涙を流しつつ。
であれば、1000円で分かっただけマシではないでしょうか。
逆にあなたが好かれていれば、1000円でも大喜びされるはずです。
であれば、また余裕ができたときに、その3万円のものもプレゼントしてあげればいいだけです。
というか、「1000円のプレゼントでイヤな顔をするのに、3万円のプレゼントなら大喜びする」ような相手はダメです。
すんごい個人的な感情が入りますが。
額は関係なく、安くてもいいので、「何かをあげたい」と思うのなら、とにかくプレゼントしてしまうこと。
ウダウダ考えて何も渡せないより、ずっとマシです。
こんな場合も、迷ったら、安い方です。
◆ レベルアップの大切さ。
この「迷ったら安い方」。
これは人生の決断であっても、同じことかもしれません。
たとえばあなたが、新しいビジネスを始めようとしたとします。
このときにオフィスを借りようとして、
「家賃が5万円のオフィス」と「家賃が20万円のオフィス」
で、迷ったとします。
後者は高い分、広く、内装も立派、交通も便利です。
しかし。このときも。
やはり「迷ったときは、安いものを買え」。
とにかく5万円のオフィスで始めてしまえばいいのです。
このとき、万一にビジネスに失敗したとして。
「5万円のオフィスでうまく行かなかったけど、20万円のオフィスだったらうまく行っていた」なんて、ほとんどありません。
また5万円だけに、大失敗したとしても、莫大な負債を抱えることはありません。
逆にもしうまく行き、事業が拡大したら、そのときにあらためて、20万の家賃のところに引っ越せばいいのです。
このときは、もちろん資金に余裕もあるでしょうし、また必要性を強く感じてるはずですので「迷わない」はずです。
これはある意味、「レベルアップ」です。
よくゲームなどでも、最初は弱い武器しか持っていないものが、少しずつお金を稼ぎ、強い武器に買い換えたりしますよね。
これ、結構楽しかったりするものです。
逆に最初から強い武器をゲットしていたら、その喜びは半減します。
また強い武器を買うためにお金をためるとするなら、それまでは「素手」で戦うことになり、とても非効率です。
とにかく安く始めて、迷わなくなるまで育ったら、高いものに買い換える。
この思考、忘れないでください。
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◆ 今回のまとめ。
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○ 迷ったときは、とにかく安いものを買え!
○ そして必要性を感じたら、高いものに買い換えればいい!
○ コストで迷うよりも、安い方でいいから早く進め!
もちろん食品などで、安い方にそれなりの理由があることだってあります。
例外は多々あると思いますし、常に正しい、と言い切るつもりはありません。
ただあなたが「迷った」場合に、一つの考え方として、覚えておいていただければ幸いです。
◆ さいごに。
「小さく産んで、大きく育てろ」
という格言があります。
迷ったら、とにかく安い方でいいので、進んでしまうこと。
「よりいい方を得よう」なんて思って、迷っている時間だけムダです。
あなたがすでにある程度考え、評価し、そして「迷い」に行き着いたものであるなら、そこまで大きな差はありません。
とにかく安く、カンタンな方でいいので、買ってください。
進んでください。
それを行わないことこそが、一番の「ソン」なんですよ。
(完)
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。