渋谷心療内科・ゆうメンタルクリニック秘密コラム 「本はグチャグチャに折って読め」

 

渋谷心療内科・ゆうメンタルクリニック秘密コラム

「本はグチャグチャに折って読め」

 

自分自身、色々と本やマンガを書いたりしています。

それに際して、よく

「どうやって勉強しているのですか?」

という質問を受けます。

その答えを話す前に、こんな実験をしましょう。

まず、↓の文字列を覚えてみてください。

BSTFWFWUZMRTI

 

覚えましたか?

ちょっと繰り返してみましょう。

 

…うん。

だいたいの方が、覚えてますね。

話を元に戻します。

さて僕がどうやって勉強をしているか。

シンプルですが、その答えは「本を読むこと」です。

実際、人間が学べる量には限界があります。
しかし本を読めば、非常に濃密な量の知識を得ることができます。

特にアメリカ、マサチューセッツ工科大学教授であるパプソンは、

「一日に一時間勉強すれば、一年間で一つの分野のエキスパートになれる」

と言いました。

たとえ一日一時間でも、継続することで、どんな内容についても深く知ることができるのです。

そのため、普段からとにかく本を読むことが大切です。

ただ、です。

ここで人間の記憶力というのは、「すごく弱い」ということをご存じでしょうか。

実はアメリカインディアナ大学のロイド・ピーターソン博士の調査によると、

「どんな人間も、18秒たつと、覚えたことの85%を忘れてしまう」

そうです。

さてここで、先ほどの文字列を思い出してみてください。

おそらく、記憶がうすれかけており、たいていの方が、ハッキリとは思い出せないのではないでしょうか。

一文字も間違えず思い出せた方は、普通より記憶力が強い人かもしれません。

ただまぁ、おそらく多くの方は忘れているはずです。

実際、無意味な文字列よりは、意味のある「知識」の方が、当然ですが、記憶効率は強まります。

先ほどの文字列にも、実はある「法則」があり、それに気づいた人は、ハッキた覚えているかもしれません。

いずれにしても、意味がある知識の場合、「18秒で85%」ほどは忘れませんが、それでも大半のものを忘れてしまうのは事実ではないでしょうか。

◆ とにかく折る!

そのため僕はどんな本でも、基本的に「二回・三回読み直す」という大前提で読んでいます。

一回だけで記憶できるわけはないので、とにかく何回も読む。

こう考えるだけで、リラックスして、たいていの本を、スピーディに読むことができます。
覚えなくてもいい、というような。

そしてその際、重要な部分を「折る」ことにしています。

折り方にはルールがあって、

1 「ここはイイ!」と思ったページ … 右上を三角に折る。

2 「ここはすごくイイ!」と思ったページ … 右上と右下、どちらも三角に折る。

3 「ここは笑える。ちょっと面白い!」と思ったページ … 右上を、ナナメに角度つけて三角に折る。

としています。

まぁ、折り方は何でもいいんですが、このように、「感情」を、折ることによって、「本に印をつけておく」という形にするわけです。

すると二回目に読み直すときは、「折り目があるところ」だけで大丈夫になり、読み直しが非常にラクになります。
ムダにすべてを読む必要がなくなるわけです。

くわえてさらに大急ぎのときは、二ヶ所を折ってるページを探せばいいことになります。

またツッコミたいことなど、気軽なネタを探したいときは、ナナメに角度がついてるページを探せば良くなります。

いずれにしても効率化になります。

◆ 記憶の、手がかり。

また「前に折った」ということで、読み直すときに「一度読んだところなんだ」と思えば、二度目に読むときに、さらに気楽に読むことができます。

学校の授業中に、隣に座っている女の子が、

「もうっ! ○○クンったら! ここ、前に一緒に勉強したでしょ!?」

と言われたら、すごくやる気が湧きますよね。それと同じです。
ちょっと違う気もしますが、同じだと思ってください。

しかしそういう「前に読んだよ」的なサポートがないまま、

「あれっ。ここ前に、読んだっけ、読んでないっけ?」

と思ってしまうと、また「一回目」として読まなくてはならず、とても非効率的です。

◆ 外から見ても。

さらにこの「折り目」には、「外から見て、すぐに折り目の量が分かる」というメリットもあります。

そのため「前半にしか折り目がない」という場合「まだ、そこまでしか読んでない」ということも分かります。

また「全体通して、少なく、まばらに折り目がある」という場合、「総じてあまり得られるものがない本だった」ということも分かります。

あとからの目印として、非常に分かりやすいのです。

◆ マーカーではダメ。

こう言うと「それってマーカーや、ラインを引くのじゃダメなの?」という意見もあるかと思います。

でもそれ、面倒くさいですよね。

電車の中で、いちいちペンを出して読書するのも大変です。
「ペンが出せないから、本を読まない」
ということになったら本末転倒です。

とにかくどんなときでも、気軽に行える。
そして、あとから分かりやすい。

それこそが、この「折り目読書法」です。

実際、本は折り目だらけになります。
もちろん、折り方が汚いと、グチャグチャ…になるかもしれません。

しかしこれにより「古本屋に売れなくなる」というメリットがあります。

はい。
これ、メリットです。

1000円の本は、たとえば古本屋さんに売れてもせいぜい200円。

それに売ったら、その記憶なんてほとんど残りません。
200円のために、その本すべてをムダにするのは愚の骨頂。

本は知識として吸収して、はじめて意味があるのです。

だからこそ「売れない」本にし、もう「知識として学ぶしかない」状態に追い込むために、とにかく「折る」のです。これはメリットです。

もちろんですが、図書館の本では絶対にやっちゃダメなので、そういう意味でも、個人的には「買う」ことをオススメします。はい。

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★ 今回のまとめ。
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○ 人間の記憶は、とにかくすごい勢いで薄れていく。

○ そのため本は二回・三回と読む前提で読むこと。

○ ゆえに読みながら、とにかく「折る」。

○ あとからそれを見直す、目印になる。

何か少しでも参考になることがあれば幸いです。

 

 

というわけで、いかがでしたでしょうか。

ちなみに冒頭の文字列こと

BSTFWFWUZMRTI

は、

バストふわふわうずもれたい

の頭文字です。
まぁ、全国の読者さんのうち、99.9%の方が気づいたと思いますが。

こう覚えると、たぶん思い出しやすくなるかと思います。

自分が勉強を積み重ねてみた結果がこのレベルであることに切なさを覚えつつ、ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

(完)