渋谷心療内科・ゆうメンタルクリニック秘密コラム 「フラれることが幸せに感じる方法」
「フラれることが幸せに感じる方法」
あなたは「二人のセールスマンの話」というものをご存じでしょうか?
あるところに、「1つ売ると、100万円の利益が出る商品」がありました。
しかしこの商品、高いので、「100人に1人」しか、買わない状態でした。
そしてAさんとBさん、二人のセールスマンが、この商品を売ろうとしています。
当然ですが、100人に1人なので、OK率は非常に低くなります。
そのためAさんは、断られることに疲れてしまい、どんどん気持ちが落ち込んでしまいました。
しかしBさんは、毎日、とても楽しそうに仕事をしていました。
Aさんは不思議に思って、Bさんに聞きました。
「どうしてこんな、100人中、99人に断られる仕事を、楽しんでやってられるんだ?」
するとBさんは言ったのです。
「だって100人に声をかければ、そのうち1人が、100万円の利益をくれるんだよ? ってことは、1人に声をかけるごとに、1万円の利益が出るのと同じじゃないか」
すなわちAさんは、100人に1人だけが利益につながり、残りの99人は、完全に「ムダ」と考えていたのにたいして。
Bさんは、その報酬を分割し、1人につき1万円と考え、
「断られるたびに貯金がたまり、100万円になったとき、ドカンとそれが出てくる」と考えたのです。
これ、かなり面白い考え方だと思うのですが、いかがでしょうか。
◆ 明るい面を考えれば。
実際、クウェート大学の心理学者であるハッサン博士によると、
「物事の明るい面を見たり、明るいことを考えている人ほど、色々なことに意欲的になれる」
んだそうです。
世の中の成功者でもそうですが、
「成功するまでは、どんなにつらくても、歯を食いしばって…!」
という人は、あまりいません。
みんな、毎日を楽しんでいる人が多いように見えます。
思うに、それこそ成功までの道のりを分割し、毎日、イキイキと生きているのではないでしょうか。
すなわち
「ガマンにガマンを重ねて、最後に大成功を収める」
と考えるのではなく、
「最後にたどりつく成功を分割して、行動を起こすたびに、一部ずつ得ている」
と思って、それを喜びつつ生きることこそが、何より大切なのではないでしょうか。
◆ 体の一部を…?
これは恋愛でも同じかもしれません。
たとえばあなたが、フラれに、フラれまくって…。
それこそ、100人に1人しか告白をOKしてもらえなかったとします。
しかし。
その一人にOKしてもらえたら、それこそ、激しく幸せなはずです。
特に相手が許してくれるなら、心も体も自分のもの…!
であれば!
同じくそれを分割して!
「1人に告白するたびに、その相手の体の100分の1をゲットしてる!」
と考えることだってできます。
「フラれたけど、足のウラゲットォ!」
「やったぁ二人目! 足首も得られたぜ!」
( 中略 )
「よしっ! 50人目! 下半身すべてゲットしたぁ!」
………。
人によっては「それだけで十分」とかいう方もいそうですが。
ていうか「最初に胸だけもらいたい」とかいう人もいそうですが。
そのあたりのマニアックな欲求は飲み込んでいただいて。
いずれにしても、とにかく「分割してゲット」と考えれば、断られるのが、そこまでショックではないかと思います。
自分自身、結構そうして生きてきました。
まぁ実際、100分の1というのは結構言い過ぎで、たいていの方なら、10分の1くらいではないでしょうか。
そう考えると、パーツはより大きくなるはずです。
ただ多くの人が、断られるのがつらいため、2~3人に断られた時点で「もう自分は絶対的にダメだ」と考え、告白を止めていることも多いのではないでしょうか。
いずれにしても、とにかく「0・0・0……0・100」ではなく、
「1・1・1・1………」
というように、分割した方が、喜びは増え、何かの行為を継続することができるのです。
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● 今回のまとめ。
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○ 物事の楽しい側面だけを見て生きよう。
○ そのため、たどりつきたい大成功を分割して、失敗のたびに、それを少しずつ得ていると考えること。
◆ さいごに。
ですのであなた自身も、考えてみてください。
あなたが本当にやりたいことは何でしょうか?
多くのお金がほしい?
事業を起こしたい?
異性に愛されたい?
幸せな生活がしたい?
で、あれば。
とにかくそこに向かって進むための行動をするたびに、その一部を得ていると考えること。
そう。
最終的に、それを得られたどうかに、実はそんなに大きな意味はないんです。
それよりも、今の毎日こそが、ずっと大きな喜びだったことに、いつか気がつくはずですよ。
(完)
◆ オマケ
ここからは完全な余談です。
話はものすごく変わるんですが。
セールスで思い出した話があります。
最近、池袋を歩いていたら、メガネ屋の店員さんが、こうセールス文句を叫んでいました。
「どんな、お度数の人でも、すぐお作りできます!」
………。
あ、「度数」も「お度数」なんだ、と。
度数すら丁寧に「お」をつけるんだ、と。
ていうかそれにも関わらず、「人」は「人」のままっておかしくないですか。
「方」とか「お方」とかにしないんですか、と。
さすがメガネ屋の店員さんだと思いました。
敬意の優先順位が違う。
メガネ関係の用語こそが最重要。
たぶん、
度数 > メガネ > レンズ > メガネのつる > ……… > 人
みたいな敬語順位なんだと思います。
だって、どことなく通りすがった自分への目が冷たかった気がしますし。
………。
自分への目の冷たさはその店員さんだけではなかったことに気がつきつつ、ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。