渋谷心療内科・ゆうメンタルクリニック秘密コラム 「進めない一歩を、一瞬で踏み出す方法」
渋谷心療内科・ゆうメンタルクリニック秘密コラム
「進めない一歩を、一瞬で踏み出す方法」
◆ 大学生さんの会話。
最近、マクドナルドで原稿を書いていると、隣の男子大学生らしき二人が、こんな会話をしていました。
A「俺は絶対に新規ビジネスを立ち上げる」
B「すげぇ」
A「でもそのためには失敗したくないから、知り合いの知り合いのIT社長に話聞いてくるんだ」
B「すげぇーなぁ」
A「俺、何でも万全に考えてからやりたいタイプだからさ」
B「すげぇ!」
ちょっと待って?
片方「すげぇ」しか言ってないよ?
これ会話として大丈夫?
ボタン押したら「すげぇ」とかしゃべるマシンでいいんじゃない?
夏休みの自由工作とかで作れそうじゃない?
A「ほら時間がもったいないじゃん?(ズジュー ←なくなったシェイクを吸う音)」
B「すげぇ…」
A「俺、時間絶対にムダにしたくなくてさ(ズジュー)」
うん、今の時間はすげぇムダなんじゃないのかな。
自分自身、すげぇそう思いました。
Bくんの口癖うつるし。
◆ フェイスブックの話。
そういえば、あなたはフェイスブックというサイトをご存じでしょうか。
言うまでもなく、世界一のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)です。
以前、友人にフェイスブックの話をしたときに、
「あぁ、外国版ミクシィね」
と言われたことがあります。
いやいや!
それ逆だから!
ビートルズのことを「外国版ずうとるび」とか言うのと同じですよ!?
…うん。
たとえが古すぎてアレで申し訳ありません。
何にせよこのフェイスブックのCEOであるマーク・ザッカーバーグがモットーとしてる言葉に、こんなものがあります。
「Done is better than perfect.」
日本語にするなら、
「『とにかくヤッちゃう』のは、『カンペキ』より、ずっとイイ」
ということになります。
何でもいいから、とにかく形にしてしまえ、と。
実際にフェイスブックも、ものすごい計画を立てて、万全に行われたビジネスではありません。
とりあえずハーバード大学の学生専用のサイトとして始まり、そこから少しずつ色々な大学を巻き込み、最終的に世界中の人を参加させるサービスになりました。
良くも悪くも「成り行き」です。
最初から今の形ではありませんでした。
さらにマーク・ザッカーバーグ自身も、最初のうち、会議をしながら簡単なプログラムを打ち込み、テストもまったくせずに、まずサイトで発表したりしていました。
とにかくすべてを「まずやっちゃう」「まず世に出してしまう」こと。
それは、完全やカンペキを求めすぎて、時間ばかりたってしまうより、ずっとずっといい…というわけです。
これ、なかなかに賛同できる発言だと思います。
マクドナルドのAくんにも、ぜひそうアドバイスしたい。
◆ 自分の話ですが。
ここで自分の話で恐縮ですが。
現在、ゆうメンタルクリニックもおかげさまで多くのドクターやスタッフさんにお手伝いしていただいて、
上野院・池袋院・新宿院・渋谷院の四院という形させていただいてます。
もう5年目を迎えていますが、スタートしたときは、もちろんそんなビジョンはありませんでした。
ただ上野で、自分一人で、一生やっていくんだろうな…と。
そんな感じで考えておりました。
スタートしたあとで、その場その場の状況に沿って…。
院やシステム、またスタッフ形態など、繰り返し軌道修正を続けて、今の形になっています。
もちろんですが今のこの状況が完成形とは思ってませんし、これからもいくらでも変わっていくものだと思っています。
逆に言えば、「5年後に今のこの複数院の形にする」なんてビジョンを、最初から描いていたとしたら…。
たぶん準備することや考えることが多すぎ、怖すぎて、そもそもスタートすることができなかったのではないかと思ってます。
◆ 恋愛なんて…。
これは恋愛の場合なんて、特にそうかもしれません。
誰かとつきあった結果、その関係が何年も続いたり、それこそ結婚することだってあるでしょう。
しかしその最初。
告白などのときに、
「この相手と結婚して、子供は2人産まれて、こんな家に住んで、こんな老後を…」
なんて計画まで考えている人、いますでしょうか。
おそらく告白される相手にとっては怖いと思います。
大半の人が「好きだと思うから、とりあえず告白する」もので、そして「その先、その場その場の積み重ねで、添い遂げるほどうまく行ったりすることもある」ものではないでしょうか。
本当に「将来まで含めてカンペキ」な計画のもとに、何かを始めるなんて、意味がないどころか、逆効果なのです。
あいまいでも、適当でも、何でもいいので、とにかく一歩を踏み出す。
先の先まで「見えないからこそ」、踏み出せるのです。
◆ カンペキでないからこそ。
すなわち、PerfectとDoneというのは、実は矛盾するものかもしれません。
「パーフェクト」を求めすぎるほど、結局、「ヤる」ことが先延ばしになっていく。
「カンペキではない」からこそ「ヤれる」わけです。
だから「カンペキじゃないから、まだ見込みが立たないから、ヤらない」というのは大間違いで、
「だからこそ、まずはヤッてみろ、踏み出してみろ」
ということになるわけです。
その結果、「うまく行かない」のなら、言うまでもなく、
「その瞬間に軌道修正を繰り返せばいい」だけです。
成功している人は、みんなそうしています。
「うまく行かない瞬間があったからダメだ! 終わりだ!」とか、
「最初からもっと計画しておけば!」とかで、その場をあきらめるのは間違いなのです。
結局のところ、人生は一生において戦いであり、
「戦いを避けたいがために、絶対にうまく行く完全な計画を考えて、何も始めない」
というのは、「生きていない」のと、何の変わりもないのです。
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★ 今回のまとめ。
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○ Done is better than perfect.
○ 何でもいいから始め、そこから軌道修正を繰り返していくこと。
そして万が一、どこかで完全にあきらめ、撤退したとしても…。
心理学的には、「ヤッた後悔」より「ヤらなかった後悔」の方がずっと強いとされています。
であれば、何でもいいから、始めてみること。
カンペキでなくても。
いえ、カンペキでないからこそ、いいんですよ。
(完)